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創作日記

100回記念ブログ~文学の散策路~

三船恭太郎
(2009年5月31日 07:41)

ラジオをお聞きの皆さん、こんにちは。

『文学の散策路』の時間です。

 

この番組は、毎回、お勧めの一冊、その中の数行にスポットを当て、ゲストの皆さんにご意見、感想等、自由に語り合っていただく番組です。

 

まずは、ゲストの方々からご紹介いたしましょう。

 

私のお隣から、仁木涼子さん。図書館司書のお仕事をしていらっしゃいます。今日はよろしくお願いします。

涼子 「こちらこそ、よろしくお願いします」

東京日記~エピローグ~

三船恭太郎
(2009年5月29日 05:13)

作文コンクールの表彰式を無事に終え、僕は再び新幹線のホームに立った。

 

土曜日の午後ということもあり、ホームは老若男女、いろいろな世代の人たちで溢れかえっていた。

しかしその大勢の人たちも、『これから旅に出る人』と『これから家路につく人』の、大きく2つに分けられる。

 

洋服の皺の具合、お土産の紙袋、ベンチに座り、投げ出した足に張られた絆創膏、バックから覗くミッキーマウスの耳...。

うきうきと楽しげな会話。その一方で、欠伸。

 

そんな、さまざまな人たちの吐き出す、さまざまな空気の流れを一旦止めるように、新幹線の発車のベルが鳴り響いた。

東京日記その24~最終話・街の息遣い~

三船恭太郎
(2009年5月24日 16:16)

~大きなお世話のご注意~

めずらしく、東京日記を2話一度に更新しました。その23~ズボンの折り目~から先に読んでいただくとうれしいです。

さあさ、ようこそ!『東京日記その24』の本文は以下からです。

 

 

恐る恐る振り返ると、母は笑ってるような、泣いているような複雑な表情で、印鑑ケースを手にしていた。

な~んだ、印鑑か。なにさぁ、「あっ!」なんて驚かさないでよ...。

 

ん?

東京日記その23~ズボンの折り目~

三船恭太郎
(2009年5月24日 13:45)

「三船様っ、心配しておりました。ご印鑑は...」

後光の人は、フロントから僕らのところまで、前のめりになりながら駆け寄って来てくれた。

 

わずか3メートルあまりの短いその距離を、小走りにやって来る姿に、後光の人が母との電話を切った後、かなり気を揉んでいてくれていたであろうことが伝わってきた。

 

無理もない。

『当ホテルのすぐ向かい。徒歩4分!』

この言葉に嘘はなかった。実際には言ってないけど。

東京日記その22~駆け上がる快感~

三船恭太郎
(2009年5月21日 18:07)

横断歩道の前に立ち、じっと赤信号を見つめる僕と母。

 

(早く、早く)と念じたからといって、信号が僕らの気持ちを汲み取り、

「しょーがねえなぁー、んじゃ、30秒おまけしてやっか」

などと言い、早く青にしてくれるはずもない。

 

しかし他に心の置き所も無く、僕は赤信号を見続けていた。

これって...エレベーターに乗り、目的の階まで一つ、また一つと上っていくライトを見つめる時と似てる。

 イライラしている僕を、(まっ、そう焦らないでさ~)と諭し、事務的&機械的な仕事ぶりの信号機とエレベーター...っていうか、そもそも機械だよね。

東京日記その21~イチゴ再び~

三船恭太郎
(2009年5月11日 16:55)

 母と僕は、その薄暗い路地を覗き込んだ。

やはり一人また一人と、路地からはスーツや制服を着た人たちが出て来る。

 

「ここ行ってみようよ!」僕の提案に、

「まっ、どうせ迷子だしね~」と、母は頷いた。

 

その手には、印鑑屋さんからプレゼントされた立派なケースがしっかりと握られていた。

僕は、まるで御守りのように印鑑を握っている母を見て、『迷い大人でしょっ!』と、ツッコミそうになる自分を抑えた。

東京日記その20~イチゴ一会~

三船恭太郎
(2009年4月30日 07:13)

「ありがとうございました~」

印鑑屋のおじさんはドアを開け、僕たちを見送ってくれた。

 

母と僕は振り返り、おじさんに頭を下げた。

おじさんは胸のあたりで手を合わせ、母に丁寧なおじぎをした後、僕のほうに向き直り大きく手を振ってくれた。

 

僕は手を振り返しながら、いい人だったな~と、じんわりと温かい気持ちが広がっていくのを感じていた。

足の疲れが温泉に浸かり、小指の先まで癒されていくような感じ...。

東京日記その19~世界のミフネさん~

三船恭太郎
(2009年4月19日 12:01)

『大人げナイフ』を持った母と、僕はきっちり1分交代で椅子に座っていた。

 

そして立っている間は他にすることもないので、店内の商品を見て過ごした。

...とは言っても印鑑屋さんなので、置いてあるものは印鑑と、朱肉や印鑑ケースなどといった印鑑に関わるグッズのみだ。

 

あれこれと見回すうちに印鑑タワーに納まっている印鑑は、比較的値段が安いものだということに気がついた。

東京日記その18~椅子取りゲーム~

三船恭太郎
(2009年3月20日 08:29)

『すぐにお作りしますよ』の秘密は、パソコンで入力して出てきた印鑑を、店のおじさんが仕上げることにあった。

おじさんに注文した僕らにどっと押し寄せたもの。

それは、安堵感&(おお!ホタテおじさんなら十分にウケそうなダジャレ)足の疲れ。

 

母の視線が店の中の椅子へと流れた。

そしてほぼ同時に僕の視線も、その椅子へと・・・。

 

僕と母は、椅子取りゲーム決勝戦のような勢いで、たった一つの椅子を目指した。

 

東京日記その17~印鑑タワー~

三船恭太郎
(2009年2月15日 18:46)

床屋のおじさんに言われた通り、角を曲がると...。

 

明るい、そう!両脇の店に比べると、ひときわ明るい店が目に飛び込んできた。

もちろん、その明るさの違いは、実際の照明の明るさの違いだけではない。

 

ガラス張りのドアからは、1つ...2つ...3つ...4つ...。4台も、あの『印鑑タワー』とでも呼ぶべき、(六角形、もしくは八角形だろうか)印鑑がびっしりと詰まったケースが見えた。

 

「あった~!」僕と母は、同時に叫び、顔を見合わせ頷きあった。

そして僕らは、その印鑑タワーを目指して駆け出した。

 

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