『12歳の空』特設サイト

おてがみ

三船恭太郎
(2009年5月27日 18:58)

『おてがみ』と聞くと、何を想像しますか?

 

パソコンや携帯のメール?

携帯を 打つ手が踊る 待ち合わせ

う~ん、お粗末な一句。失礼しました!

 

でも、駅やデパートの待ち合わせ場所で、一心不乱に携帯のメールを打っている人を見かけます。

(ホラ、すぐ後ろ。今メールを打っている相手は、その人じゃないですか?)

「な、なんだ来てたんだ。気づかなかった。今メール...」

(やっぱりね!)って光景を見ることがあります。

 

メールも手紙の一つだけど、『おてがみ』と聞くと僕は、アーノルド・ローベル作の『ふたりはともだち』の中の作品『おてがみ』が思い浮かびます。

初めて読んだのは小1の時、そして今も時々、本棚から引っ張り出してきます。

 

かえるくんは、一度も手紙をもらったことがないと嘆くがまくんに、おてがみを書きます。そしてそれを、かたつむりに持って行ってくれるように頼みます。

 

最初の頃僕は、届くまで4日も掛かるのに、なんで、かたつむりにおてがみを頼んだのかな?と思っていました。

しかし繰り返し読むうちに...文字だけではなく挿絵も見るうちに、『待つ』って、楽しいことかもしれないと、思うようになりました。

 

おてがみを待つ、がまくんとかえるくんの表情がすごく好きです

おてがみ 

それからしばらくして、想像のみにとどまっていたがまくんたちの気持ちを、僕自身が経験することになりました。

 

 

郵便屋さんのバイクの音。カタン!

1週間に1度、僕の心に落ちる手紙の音。

それは僕に宛てた、祖父からの手紙でした。

真っ白い封筒の真ん中に書かれた自分の名前。

少し大人扱いされた気がして嬉しかったです。

 

その祖父が亡くなり、年賀状や学習教材のダイレクトメール以外は、僕宛の手紙が届くこともなくなったある日...。

 

すごくきれいな文字の一通の手紙を受け取りました。

 

「前略、お赦しください...」で始まるこの手紙を送ってくださったのは、80代の女性の方です。

新聞に僕の創った短歌が掲載になったのを見て、手紙をくださったのでした。

 

自己紹介、日々の生活のこと、ご家族のこと、そして小学校時代からのお友達のことが書き綴られていました。

手紙の最後は、「お体大切に、よくお勉強なさってください」と結ばれていました。

 

70以上も歳の離れた方からの、丁寧な言葉遣いの手紙に感激しながらも、懐かしい祖父から手紙を受け取ったような、あたたかい気持ちと親しみを感じました。

 

それから折に触れ、手紙をいただいています。

そして僕からも、手紙を出しています。

 

メールのように、すぐには届かない。

それだけに、『おてがみ』の嬉しさは、書いたものが届くまでの時間と届けられるまでのひととき...待つ、ひととき。

相手のことを考える時間かなって思います。

 

 

最近は、「12歳の空」を読んだ感想を聞かせてくださいました。

「好い御本ですね」と。

 

今からお返事を書きます。

僕からの『おてがみ』、待っていてくださると嬉しいなと思っています。

 

プロフィール

    ブログの感想、ご意見、
    メッセージなどはこちらへ!

過去のブログ記事

三船くん大プレイクレポート!
三船くん×中石くん対談
12歳の文学賞公式サイト
12歳の文学賞公式サイト・単行本「12歳の空」特設ページ
小学館・単行本「12歳の空」特設ページ
単行本「12歳の文学 第二集」
メールマガジン配信中
小学館オンライン
学年誌サイト ネットくん
小学三年生
小学四年生
小学五年生
小学六年生
教育技術
ドラゼミ