『おてがみ』と聞くと、何を想像しますか?
パソコンや携帯のメール?
携帯を 打つ手が踊る 待ち合わせ
う~ん、お粗末な一句。失礼しました!
でも、駅やデパートの待ち合わせ場所で、一心不乱に携帯のメールを打っている人を見かけます。
(ホラ、すぐ後ろ。今メールを打っている相手は、その人じゃないですか?)
「な、なんだ来てたんだ。気づかなかった。今メール...」
(やっぱりね!)って光景を見ることがあります。
メールも手紙の一つだけど、『おてがみ』と聞くと僕は、アーノルド・ローベル作の『ふたりはともだち』の中の作品『おてがみ』が思い浮かびます。
初めて読んだのは小1の時、そして今も時々、本棚から引っ張り出してきます。
かえるくんは、一度も手紙をもらったことがないと嘆くがまくんに、おてがみを書きます。そしてそれを、かたつむりに持って行ってくれるように頼みます。
最初の頃僕は、届くまで4日も掛かるのに、なんで、かたつむりにおてがみを頼んだのかな?と思っていました。
しかし繰り返し読むうちに...文字だけではなく挿絵も見るうちに、『待つ』って、楽しいことかもしれないと、思うようになりました。
おてがみを待つ、がまくんとかえるくんの表情がすごく好きです。
それからしばらくして、想像のみにとどまっていたがまくんたちの気持ちを、僕自身が経験することになりました。
郵便屋さんのバイクの音。カタン!
1週間に1度、僕の心に落ちる手紙の音。
それは僕に宛てた、祖父からの手紙でした。
真っ白い封筒の真ん中に書かれた自分の名前。
少し大人扱いされた気がして嬉しかったです。
その祖父が亡くなり、年賀状や学習教材のダイレクトメール以外は、僕宛の手紙が届くこともなくなったある日...。
すごくきれいな文字の一通の手紙を受け取りました。
「前略、お赦しください...」で始まるこの手紙を送ってくださったのは、80代の女性の方です。
新聞に僕の創った短歌が掲載になったのを見て、手紙をくださったのでした。
自己紹介、日々の生活のこと、ご家族のこと、そして小学校時代からのお友達のことが書き綴られていました。
手紙の最後は、「お体大切に、よくお勉強なさってください」と結ばれていました。
70以上も歳の離れた方からの、丁寧な言葉遣いの手紙に感激しながらも、懐かしい祖父から手紙を受け取ったような、あたたかい気持ちと親しみを感じました。
それから折に触れ、手紙をいただいています。
そして僕からも、手紙を出しています。
メールのように、すぐには届かない。
それだけに、『おてがみ』の嬉しさは、書いたものが届くまでの時間と届けられるまでのひととき...待つ、ひととき。
相手のことを考える時間かなって思います。
最近は、「12歳の空」を読んだ感想を聞かせてくださいました。
「好い御本ですね」と。
今からお返事を書きます。
僕からの『おてがみ』、待っていてくださると嬉しいなと思っています。









