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東京日記その2~備えあれば~

三船恭太郎
(2008年8月 5日 14:25)

1泊2日の日程だったが、表彰式という特別の行事であることに加え、東京と岩手の気温差が読めないため、ブレザーや靴、そして備えすぎるほどの着替えで、鞄はどんどん膨らんだ。

早すぎる時期から始めた母の荷造りは、こんな時は、あんな時はと、次々と浮ぶ不安を1つ消すごとに、1つ荷物が増えていくようだった。

例えば、ガムテープ...紺色のブレザーのほこり取り用にもっていくらしい。

そして母は、これら荷物のリストを、ホテルへ宅配便で送るもの、自分の手荷物、僕の手荷物と3枚に分けて作っていた。

リストにはもちろん、チェック欄があり、出発当日の朝に全てのチェックを終え、安心して旅立つ予定だ。

 

ここまで周到に準備するのには、理由があった。

母は、自他共に認める『おっちょこちょい』なのだ。

旅行に限らず近くまで外出する時ですら、歩き出して、もしくは車に乗り込み暫くすると、「あっ」。

父も慣れたもので、「あっ」を聞くや否や、車の舵を切るのだった。

しかし、近くへの外出と違い、さすがに東京で「あっ」と言われても、すぐに戻るわけにはいかない。

しかも今回は、僕との2人旅。

母は家を出る直前までリストを睨み、「完璧だわっ」と玄関のドアを開けた。

 

まさか、リストそのものから、もれている物があろうとは思いもしないで。

 

父の車を見送った僕らは、駅に入り、『はやて・こまち2号』の出発するホームを確認した。

11番ホーム。僕は一気に階段を駆け上がった。

リリリリリ...。ホームには、発車を告げるベルが鳴り響いていた。              つづく

 

次回予告

母より一足先にホームに着いた僕。

遺伝とは恐ろしいもので、僕自身、波乱を予感させる旅立ちとなる。

新幹線よ、いつになったら走り出すのだ!(定時刻です。byJR東日本)あっ、そうですね。

 

次回もお楽しみに!

 

 

 

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